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  AG200のAGとは?
広大な農場や牧場で働く人の移動の足として

そもそもAG200のAGとは、どのような意味なのだろうか?
それは、英語で農業という意味のAgricultureの略と言われている。
ちなみに、語源はラテン語で「耕地を耕すこと」の意 (agri‐ 「土地; 耕地」+cultūra 「耕作」)
その名の通り農業バイクとして、広い牧場でヒツジ追いなどに使われている。
海外のヤマハホームページではAGRICULTURALのカテゴリーで分類されてる。




 
   YAMAHA AG200の概要
ベースはXT200だが牧場などで使うように農業バイク仕様にアレンジされている

エンジンベースはXT200だが、オートデコンプ(初期型エンジンのみ装備)を装備したⅡ型で、ボア・ストロークなどは同じで、キャブレターは負圧可変ベンチュリータイプのミクニBS26を使用している。これはXTのY24Pのようにダイレクトな吹き上がりではないが、扱いやすいフラットなトルクを求めたもの。エキゾーストシステムはAG200専用のもの吸・排気を変更したため出力はXTが18psだが、それより低い16psとなっている。トランスミッションは輸出型の低速重視の5段からXTと同じ減速比の6段ミッションを積んでいる。
フレーム構成はXTと同じデザインだが、パイプの肉厚を増やし、長い年月ハードな使用にも耐えれるようにしている。
AG200のデザインの特徴の一つライトガードを兼ねたフロントキャリアをはじめとして、ハンドルガード・強度を増すためにプレス加工されたガソリンタンク・大きなリヤキャリア・エンジンやペダルなどを守るエンジンガード・泥対策を考えたチェーンケース・泥ハネを防ぐ大型マッドフラップなどの装備のため、XTよりAG200は12kgほど重い。
大きなシングルシートはシート高815mmと低いので、日本人体型でも十分乗りこなせる大きさのバイクとなっている。  

写真の車両はヤマハ AG200 F 1998年 オセアニア仕様   
フロント側  リヤ側  左側  右側

画像をクリックすると拡大表示   

 
   ヤマハAG200の誕生
日本では装備が追加・変更して発売される

輸出用AGバイクとしてAG100やAG175は以前からあったが、AGシリーズの長男としてAG200は誕生した。ヤマハのホームページから調べると、1983年からヨーロッパ向けにAG200が発売されたことがわかる。1984年からはオセアニア地方へも輸出されるようになり、1985年から日本でも発売される。この日本版AG200は、日本の道路事情などを考えて、独自の装備が追加されている。
現在でも輸出用として製造され、オセアニアやアフリカ方面など世界で、農業バイクとして販売されている。



 
   AG200の家族たち

XT200がベースになっている

 ホンダのXLなどの対抗馬としてヤマハからXTというバイクが製造されていました。このシリーズで1982年に販売開始されたXT200をベースにして、日本では1985年春にAG200は世に送り出されました。
 セロー225 やはりXT200をベースに同年夏に発売された。セローとは日本語でカモシカのことで、野山をカモシカのように駆けまわるというコンプセクトで、日本人の体系に合わせた車体やエンジン出力で、初心者や林道ツーリングに使いやすいと人気が出ました。
 TW200 こちらもXT200をベースに1987年発売されました。TWとはトレイルウェイの略で、道なき道を走れるようにバルーンタイヤを装着されている。しかし、2000年TBS系列で放送されたドラマで主人公が乗っていた、カスタムされたバイクで火が付き、若者に爆発的に人気でて、販売店によっては納車に数ヶ月待ちということもあったという。

 
 
         
 XT200 Serow225   TW200
 
   出典 YAMAHA Product Library
 
 
   売れないAG200
誇りをすて、都会にあこがれたお兄ちゃん仕様があだに?

日本では1985年に、HEAVY DUTY TRAIL AG200として販売が開始された。
HEAVY DUTYと書いてある通り頑固に使っても大丈夫ですよ!TRAILとは他社でいうデュアルパーパスと同じ意味で、オンロードもオフロードもどちらも行けますよ的な意味になる。海外では農業用の、仕事の道具として販売していたが、日本では、平日は仕事で都会のアスファルトを走り、週末は釣り道具などを持って山のオフロードへという感じで売り出されて、農業というワードは一つも出てこない。
日ごろ農作業で鍛えられたゴツイ田舎のお兄ちゃんが都会にあこがれて、おしゃれをしても不細工な骨格は隠せなくて・・・見たいなバイクが当然売れるはずもなく、日本ではあっという間に販売終了となったらしい。
販売はバイク雑誌などから見て数年は続いたようだが、それだけ在庫処分に時間がかかったということだろう。
しかし、現在でも海外向けに、農業バイクとしてAG200は製造・販売されている。



 
   AG200はなぜ日本で売れなかったのか?を考える
不恰好なスタイルや日本と海外の農業の違いが原因なのか?

頑固に使っても大丈夫なように付けられたガード類、やたらと大きいリヤキャリア、泥対策を考えての前後ドラムブレーキ・チェーンケース、ヨーロピアンのでかいお尻でも大丈夫なシングルシート。当時はレプリカ人気で、こんな不細工なスタイルでは人気が出なかったのでしょう。
しかし、本来の農業バイクとして販売してもどうだったろうか?
日本では羊を放牧する酪農家は少なく、牛などの家畜は牛舎などの中で飼育され、日本の農業の代表である稲作でも、ホンダのカブや軽トラの方が税金の問題や荷物の運搬からしてもAG200の入り込むすき間はなかったと思われる。

 

 
   AG200 不名誉にもNO.1を獲得する
質実剛健11歩ミイラ化

その昔、チャンプUというバイク雑誌があった。その雑誌にミイラ伝説という特集(ミイラ伝説-愛すべきウラ名車列伝)があり、「不人気度」「認知度の無さで人々から忘れ去られてミイラ化したミイラ度」の、、二つをそれぞれ100点合計200点で採点して、順位を付けていく内容でした。そのミイラ伝説で不人気度100点 ミイラ度100点でAG200は、堂々のザ・ベストオブ・ミイラに選ばれた。 1994年4月号記載

現在このミイラ伝説のバイク達は、こちらのサイトで見ることができる。
http://web.archive.org/web/20050205043256/http://www.mook.co.jp/cu01/miira/back.html




 
  AG200の走りは?
馬でいうとサラブレットではなく農耕馬

 見るからに不恰好でゴッツイ体格からして、競走馬のような走りはできない。元々リヤキャリアに荷物を載せたり、シープドックを乗せて走ることを前提にしているので、フロントアップなどしないようにバイクの重量バランスは前よりに考えられている。シート高は、作業性を考ええ低く設定しているので、日本人でも十分な足つき性があるスタイルや走りはは農耕馬そのもの。
パワーについては、悪路や、急な斜面や丘を乗り越えられるように、ある程度必要だが、牧草など滑りやすい状況を常に走るので、不用意なスライドが無いように、あえて200ccに設定しているのであろう。キャブレターも負圧式のBS26タイプで低・中速重視の設定にしている。その為アクセルによるフロントの操作、コーナー立ち上がりの加速や伸びは無いので、レーサーレプリカのような走りを求める人には向かないでしょう。
 日本版AG200の走りは、XT200のギヤをそのまま使っているので、オフロードから街乗りや高速走行まで対応している。マイルドだけどトルクのあるエンジンとの組み合わせで大きな荷物を乗せて、トコトコとツーリングにはもってこいのバイクだと思います。
 しかし、海外版はAG特有のギアでローギヤスタイルの5速なので街乗りでは、ギヤチェンジが頻繫に必要で、時速50Kmほどでトップギヤになり、車の流れに乗ろうと思い「もう1速! あれ??」「無いんだった!」となる。当然高速道路では流れに乗れず、時速100Kmで走ろうとすると、レッドゾーンの恐怖に襲われるのです。元々、長距離走行を想定していないので、当然ですが、二次減速比を変更して日本の道路事情に対応しているオーナーもいます。




 
  農業バイクとして、実際にやってみた。
シープドックと一緒に羊を追うための装備を実際に試してみた。

オーストラリアなど広大な牧場でシープドックと一緒に家畜を追うときの足として造られているAG200。その犬達の為の装備がいくつかある。バイクに乗って移動できるように大きなリヤキャリア、その際、前足が滑らないようにシート後方にラインが刻まれている。そこに一つ疑問が生じる。「本当に乗れるのか?」それならばやってみようという事になり、実際にやってみた。
 知り合いがシープドックとして使われるボーダーコリーを飼っていたので、二人に協力をお願いした。キャリアに座布団を乗っけて、前足をシート後部に乗せてみるが、慣れないためすぐに降りようとしてしまい、落ち着かない。慣れてきたと思ったら、くつろいでしまって、前足の滑り止めの効果は調べることができなかった。しかし、犬を考えた装備に、犬も満足してくつろげるほどすばらしい装備だということがわかった。残念ながら走行実験は、できませんでした。またいつの日かチャレンジして報告します。
 
協力いただいたK氏と小次郎に感謝
 
       
  AG(農業)バイクの仲間達
日本の各バイクメーカーからも海外向けにAGバイクが製造販売されている。

ヤマハ AG200  我らがAG200だが、特筆するとしたら、最初から農業バイクとして機能や装備が設計されたバイク。他社のバイクは元々あるバイクに農業用の装備を追加したものがほとんど。オーストラリアではAG200Eだがニュ―ジーランドではAG200Fと名前が違っている。
AG100 ヤマハの農業バイクの中でも一番長い歴史を持つ機体。エンジンは2ストで、以前はAG175という2ストローク175ccのモデルも販売されていた。
TTR 230AG 2014年春にヤマハNZのサイトで広告バナーに記載されていたが、メインサイトでは見ることができない。なぞの機体。オーストラリアのサイトでは2012年製のバイクが掲載されているが、AGのイメージではない。
出典   http://www.yamaha-motor.co.nz
 ホンダ CTX200 XRをベースに農業用の装備を追加されている。ブラジルで製造されていて、主にオセアニア向けに製造されている。Bushlanderという名前がついている。AGと同じようなクラッチロックがついている。
XR150 最近発売されたモデルでXRがベースに作られている。特別の装備は少ないが、農業のカテゴリーに分類されている。
CT110 通称ハンターカブ、農業バイクとして有名で、日本にも多くの固体が存在する。残念なことに2012年のニュージーランド仕様を最後に生産が終了している。過去にリコイルスターターを装備したCT200というバイクもあった。
   出典 http://www.hondamotorbikes.co.nz  http://www.ebay.com.au
 スズキ DR200SE 日本国内ではジュベル200として販売されていたものがベースになっている。海外では今も生産されている。Trojanという名前がついている。
TF125  ヤマハAG100と、とてもよく似たスタイルをしている。やはりこちらも2ストエンジン。
出典 http://www.suzuki.co.nz   
 カワサキ STOCKMAN 250 日本国内ではスパーシェルパとして販売されているものがベースで、農業仕様の装備が追加されている。
出典 http://www.kawasaki.com.au   

 
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